CASE 02

木造戸建リノベーション:広くてもハシラナイ

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木造軸組の2F建住戸です。構造部材の腐食や損傷は軽微ではあるものの、耐震強度は十分とは言えませんでした。そこで耐震補強を優先したプランを考えていましたが、柱や耐力壁、筋交(ブレース)を極力露出させないで欲しいとの強い要望があり、構造の専門家と何度も協議を重ね進めることとなりました。

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ファサードは大幅には変えず、左官から窯業サイディングへの変更と最低限に留めました。黒を基調にシックな雰囲気としています。

1F間取りについて、大きな土間は大勢の来客を迎えられるだけでなく、ベビーカー置き場としての利用もできます。反対側にはシューズインクロークがあり、土間からもホールからもアクセスが可能です。玄関とリビングの境界にはマルチカラーのアクセントウォールを配し、ポップな仕上がりになっています。

約30帖のLDKはとても広く贅沢な空間となっており、北側奥にある大開口サッシがより一層の開放感を持たせています。キッチン背面にはパントリーがあり、壁際3方に棚を置くことで多くのものを収納することができます。パントリー以外にも各所に収納が多数あり、カテゴリーを分けて使えるようになっています。

2Fはトイレを新設し、偏在していた各部屋の大きさを調整しました。施工箇所は必要最低限に留めています。

ウッドデッキの屋根は、完工後追加工事のご依頼で施工しました。デッキ材と合わせてWRCで柱や垂木を組み、屋根平面部には透明なアクリルパネルを使用しています。波板や中空ポリカと比べると高価ではありますが、差額以上の高級感があります。

構造に関しては、まず耐震診断及び構造計算を行い補強計画を考察しました。2F北東側コーナーが下がっていた為、その直下に柱及び基礎を新設しています。また、床の不陸は無かったものの強度のバランスを取る為、1Fトイレの壁中にも柱及び基礎を新設しました。2F北西のコーナー直下にはキッチンがある為、C型鋼及び構造用合板の合成梁で補強しています。北側の大開口の引き込みサッシ上部の梁も、同様の合成梁で補強しています。柱や筋交いを増やすことができない箇所については、1F天井裏に水平ブレースを追加することで水平構面の強度を上げることにしました。

仕様詳細
外壁:窯業サイディング
床:パイン材無垢 OS仕上げ予定(セルフ) タイル CF等
壁: クロス EP塗装
天井:クロス
室内建具:造作EP塗装 ベリティス(パナソニック)
キッチン:シエラ(リクシル)
洗面台:シーライン(パナソニック)
ウッドデッキ:ウエスタンレッドシダー
構造計算:京都建築構造技術研究所

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